【無料公開】大麻市場の独占を狙う中国を徹底解説【過去と未来】
中国は大麻産業に関しても、世界の1/3のシェアを狙っています。
本記事では意外と知られていない「中国の大麻市場でのポジショニング」について解説していきます。
本記事は読みおえていただくと、以下の理解が深まります。
- 現在のアジアの大麻市場
- 大麻の歴史【中国】
- 中国のマーケットシェア
むずかしい専門用語はなるべく使わずに、誰にでも分かりやすく解説していきます。もし最後まで読まれて、少しでも参考になりましたら他の記事も読まれてみて下さい。
ではまいります。
欧米諸国に追い上げをかける、アジアの大麻市場の現状
2018年から大きな変化が
10年前までは、「大麻」という言葉を聞いて世界中の大半の方は、違法薬物であるという認識をもっていたと思います。
現在では世界各国で大麻の解禁が急速に進んでおり、特に欧米諸国を中心としたアメリカの一部の州やヨーロッパなどでは、大麻の解禁が立て続けに決定されています。
そして医療用大麻としては、世界各国が注目を集めているということご存知でしょうか。
日本人の感覚からしてみれば「大麻は違法」という根強い認識があるために、他の国々と比較して医療用大麻をはじめとした大麻産業からはかなり遅れをとっています。
勢いにのるアジア市場
一方で、日本と距離が近いアジア諸国の大麻市場は、着々と活気をえているという現状です。
とは言ってもアジア諸国は大麻に関して保守的な国が欧米諸国と比較しても多く、大麻に関する法律も非常に厳しい罰則が設けられている国が大多数を占めます。
しかしアジア諸国の中には、大麻の合法化に向けてすでに動き出している国もあるのです。
韓国では2019年11月に医療大麻が解禁され、現在ではてんかんやHIV及びガン治療などで医療用大麻の使用が認められています。
タイでは2018年12月に医療用大麻を合法化しています。タイの温暖な気候が、大麻栽培に適しています。まだ完全な合法化とまではいきませんが、近い将来、大麻合法化の流れがあってもおかしくはありません。
このように、欧米諸国に追い上げをかける形でアジア諸国でも大麻の合法化というのは、徐々に現実味を帯びてきているのです。
知る人が少ない中国の大麻の歴史について
中国では「大麻」は危険薬物としてみなされ、所持及び使用に関しては非常に厳しい罰則が設けられています。
しかし、中国では現在急成長中の大麻製品市場において欧米諸国に追いつこうとする大麻大国になる取り組みが行われています。
現状を鑑みて、中国における大麻の歴史について詳しく解説していきます。
中国の大麻
中国における大麻の歴史は非常に古く、紀元前までにさかのぼります。
医療用として大麻が使われる前までは、以下のように扱われていました。
麻は食べ物として栽培され、繊維作物として使用したり、さまざまな薬効を持つ漢方薬
「麻子仁(マニシン)」として使われるなど人々にとっては身近な植物でした。
紀元前6000年から大麻の種子やオイルが食用とされていた記録があり、紀元前4000年頃になると大麻草から作られたとみられる布も発見されています。
このような人々の暮らしに身近に存在していた「大麻」ですが、当時の皇帝であるシェン・ネンは様々な病気の治療薬として「大麻」を使用した最初の1人であったとされています。
エビデンス
これさかいに大麻は、向精神薬として大麻がドラックとして人々に認知されるようになりました。
その証拠として、中国西部にある墓の出土品の調査を行った中国とドイツの研究チームが2500年前の墓地の調査を行った際に、火鉢の中の木片と焼けた石を発見しました。
それを調べてみると向精神作用を引き起こす成分であるTHCが大量に検出され、2500年前から向精神作用を目的として大麻が使用されていたという事が発覚したのです。
この調査で発見される前までは、大麻の強い向精神作用がいつごろから人々に認識されていたのか不明でした。
研究チームは以下のように話しています。
「大麻が何千年にもわたり、医療、儀式、そして娯楽の目的で人々に使われてきたことがはっきりした。」
このように中国における大麻の歴史は非常に長く、食用、漢方薬や医療にそして高精神作用という流れを得て今、皆が認知している「大麻=違法薬物」となったのです。
世界と比較した中国における大麻マーケットシェア
中国の焦り
現在の中国では、大麻の使用及び所持には重い刑罰が科される重罪ですが、実は中国は世界の大麻(ヘンプ)の半数以上を織物用として生産を行っています。
驚くことに中国は、世界の大麻特許の半分以上を保有している大麻国家なのです。
これを鑑みると、中国は欧米諸国を中心とした各国(アジアを含むタイなど)が大麻を次々に解禁にしているという現状を踏まえて「焦りを含む静観」をしているというのが本音でしょう。
国民に大して大麻の使用は重罪と印象ずけているにもかかわらず、医療用大麻の解禁等を行うと社会秩序が乱れてしまうということを危惧しています。
いぜん厳しい中国の罰則
そう考えるしか、大麻特許の半分以上を占めている中国で、ビジネスチャンスである大麻製品を用いた輸出等を行わない理由が見当たらないという訳です。
しかし、中国当局によると大麻マーケットシェアは活発で、中国には西部から違法大麻が流入してきており、それは大麻が合法化であるカナダから中国に流れてきているとされています。
依然として中国の、大麻をはじめとした違法薬物に対する罰則は世界でも最も厳しいとされています。
大麻を50グラム以上所持すると死刑のなる可能性がある中、最近の中国では医療目的や嗜好目的を含めて、大麻マーケットシェアは活発になってきているという現状です。
今回は以上となります。
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Written by のりあき
Cover Illustration by Freepik Storyset