【エシカル】大麻からできるヘンププラスチックとは?【救世主】
これからの時代の救世主として注目されているのが「ヘンププラスチック」です。
限りある資源を守り地球温暖化の原因となる、今までのプラスチックからの代替案としても知られています。
そもそも「ヘンプ=麻」とはどんなものなのでしょうか。本記事ではヘンププラスチックの概要などまじえて、以下について解説していきます。
・ヘンププラスチックとは?
・今までのプラスチックより優れている点
・ヘンププラスチックの未来予想図
専門用語はなるべくさけ分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。 ではまいります。
ヘンププラスチックとは?
麻原料で製造されたプラスチックを「バイオプラスチック」と言います。
まだまだ知名度こそ低いものの、通常のプラスチックよりも強度が高いことで知られており、自動車の車体などにも積極的に使われています。
プラスチック製品による海洋汚染の問題を解決するために開発されたものになり、今後も普及されると予測されています。
理由として麻は「成長性が早く、農薬や化学肥料などをほとんど使用しません。」
温帯な気候はもちろん「冷帯・熱帯などの幅広い条件の場所で栽培できる特徴もあります。」
どんな環境であっても比較的、安定した麻を採取できるのもヘンププラスチックの利点です。そして強化樹脂の種類としては以下の4つがあります。
- 高密度ポリエチレン
- ポリプロピレン
- アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン
- 塩化ビニール
これらの樹脂を使って、ヘンプ製品は次々に新しいものが誕生しています。使用する用途もさまざまなものがあり、例えば透明で中身が見えるものもあれば、不透明なものもあります。
あとは触ったときに硬いものもあれば、柔らかいものもあり触感が違います。その他には薬品に強いものもあれば、電気を通すもの、通さないものなど機能は本当にはさまざまです。
ヘンププラスチックだけでは、これらのすべて役割を担うことはできません。
ヘンププラスチックはヘンプ100%のものだけでなく、ヘンプ繊維を採ったあとの芯材である「種子やオガラなどのヘンプオイルを原料」として使用します。
他の樹脂や添加物を加えて、さまざまな機能を満たすことを目標としています。
ヘンププラスチックが優れている点とは?
環境に配慮している
ヘンププラスチックは環境のことを考えている点も大きいのではないでしょうか。近頃はプラスチックによるゴミ問題を耳にする機会も増えています。
テレワークによりテイクアウト需要が伸びたことで、プラスチック廃棄物の量は大幅に増加しています。
なかでも最も問題になっているのが「海洋プラスチック」になり、世界規模で見ると年間約800万トンものプラスチックがごみとして海に流れ込んでいます。
なかでも「マイクロプラスチック」は、川から海へと渡り紫外線や波の影響を受け細かく砕かれていきます。
それは5ミリ以下になったものを呼び、魚や海ドリの体内からも大量に見つかっています。環境中で自然に分解されることもなく「半永久的」に溜まり続けてしまいます。さらに食物連鎖によって、私達の身体のなかにも蓄積していると言われています。胎児における神経学的な問題、または行動上の問題を引き起こしているとも考えられており、癌に作用するBPなどの有害な化学物質が含まれています。
麻を使ったヘンププラスチックで最も一般的なのは、麻繊維を注入したプラスチックになりますが「より少ない油やより少ない公害を使用でき、生分解性のある製品」を作ることもできます。
場合によっては到来のプラスチックを、再生可能な資源の原料に置き換えることも夢ではないのです。
軽量でアレンジしやすい
ヘンププラスチックは「軽量でアレンジしやすい」特徴からも、自動車はもちろん建築産業やパッケージなどの幅広い分野で実施されています。
実際に自動車業界では、ヘンププラスチックを使った消費が一番となり、いかに身近な存在なのかがわかると思います。
ヘンププラスチックの耐久性の高さや強度によって、外車で使用するパネルのほとんどでヘンプが選ばれています。
リサイクルの方法が異なる
麻を使ったヘンププラスチックはリサイクルができること、また「100%生物分解性にて製造できる」特徴があります。
わたし達が日ごろ使っている到来のプラスチックは、人間や動物の健康に有害な影響を与える可能性があると考えられています。
ヘンププラスチックは生分解性プラスチックになり、一定条件の下で微生物に分解される特徴があります。その特徴からも「グリーンプラスチック」とも呼ばれています。
この生分解とは国際的に定義された基準が以下になります。
「微生物によって完全に消費され、自然的副産物である二酸化炭素やメタン・水・バイオマスなどを生じるものでなければならない」
到来のプラスチックよりも環境中で速く分解されるので、環境に残存する時間が短くよって生態系へのインパクトが少ないといわれています。
ヘンププラスチックがもたらす将来の可能性
未来のヘンプ
ヘンププラスチックは、今後の将来性が期待できるものです。植物を使用したバイオプラスチックは、2012年以前から流通するなど昔から存在していました。
主に綿やとうもろこしなどの植物セルロースから作られているものになり、わずか数ヶ月で自然に分解してくれます。ただ生産規模については、現代のプラスチック産業と比較してほんのわずかなものです。
その理由に、生産量の少なさや難しさに原因があります。
これに対して、麻はわずか数週間で5フィートの高さにまで成長すると言われています。数ヶ月もあれば20フィートにもなることから、大量の製品を効率的に収穫できることを示唆しています。
LEGO
例えば子供から大人にも人気のある「LEGO(レゴ)」に、一度は心をときめかせた経験もあるのではないでしょうか。
レゴは現在、石油由来のプラスチックを用いています。今後は石油由来原料の使用を減らしつつ、持続可能な材料を開発するための取り組みをはじめているようです。
なかでも最も有力なのが「ヘンププラスチック」です。
現時点では正式にレゴでヘンププラスチックが使われると発表されてはいませんが、今後使われていく幅も広がることは間違いありません。ヨーロッパなどではガラス繊維の代替としても、ヘンプ繊維が広く使用されています。
ほかにもヘンププラスチックは、環境に配慮しているメーカーやブランドから注目されています。
まだまだこんなにある!その他のヘンプ商品
ヘンプを使った商品はたくさん出回っていますが、例えば以下のようなものがあります。
- お箸
- 名刺入れ
- 歯ブラシ
- メガネケース
- 茶碗
- まな板
- フォーク
- ナイフ
他にもサーフボードや釣り竿、マウスパッドなどがヘンプを使用しています。アイディア次第でさまざまなアイテムに変わるのが、ヘンプの魅力でもあるのです。
なかには研究開発途上のものもありますが、多用途であるヘンプは他のプラスチックにはない良さもあります。
社会的な価値から見ても特定の用途にしか使用できない物質は、産業の発達や科学技術の変化によって需要がなくなってしまうことも考えられます。
用途の幅が広ければ、長く原材料として価値を維持し続けられる可能性も高くなるのです。
まとめ
大麻は摂取して身体に取り入れるのはもちろん、さまざまなものに姿を変え私達の生活に存在しています。
ヘンププラスチックは「環境にも配慮しつつ、アレンジできる幅の広さはもちろん耐久性」も優れています。
ヘンププラスチックを使った製品も次々に生まれていることからも、今後の将来性も期待できます。環境を大切にしたいと考えている人は、まずはヘンププラスチックを意識的に使ってみるのがおすすめです。
最後までご精読ありがとうございました。
Written by かゃな