【デルタ8とは?】ヘンプ由来のTHCはどんな感じ?【ハワイ】
今日のCBD・ヘンプを含むカンナビス業界では、商品の濃度を競う傾向があり、ひたすら高濃度の商品があふれています。
ハワイでも2020年頃からは、ヘンプ草から抽出される「Delta8(デルタエイト)」という成分がマーケットで注目されています。
本記事では安全なヘンプ草から取れるこの成分が、どんなものなのかを解説していきます。読み終えていただくと、以下が理解できます。
- デルタ8とは?
- 「ハイ」になるデルタ9とのちがい
- デルタ8を含む商品
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ヘンプから取れるTHC
Q:「デルタ8とはどんな成分ですか?」
それでは早速デルタ8とはどのようなものなのか、またデルタ9(一般的にいわれるTHC)との違いや期待されている効果などについて解説していきます。
現在2021年4月のハワイでは、0.3%以上のTHCを含む大麻は嗜好用としては認められていません。
デルタ8とは?
デルタ8とは大麻に含まれている化合物のことで、程よくではありますが以下の特性を持っています。
- 制吐
- 抗不安
- 食欲増進
- 鎮痛
- 神経保護
見ていただくと分かるかもしれませんが、デルタ9の類似体とも言われています。デルタ8は中枢神経に位置している、カンナビノイド受容体に結合します。
この成分は産業用の大麻植物に見られる分子構造をしており、その効果はデルタ9と比べて「穏やか」です。不安な気持ちやストレスなどを軽減することに用いられ、吐き気や食欲などの問題に対しても働きかけます。
デルタ8が最も注目されている部分は「合法的な産業用大麻から供給する事ができ、向精神効果が含まれていること」です。
世間でTHCと呼ばれるデルタ9ほど強力ではないため、デルタ8はハワイなどでも合法的に販売されている、ちょっとした抜け穴的な存在となっています。
【追記】2022年5月現在、ハワイでヘンプの立場がかなり微妙です。というのもWHOや連邦では認められていても州政府は「FDAは認めていない」と主張しています。米ではいろいろな「層」の規則や法律があり、かなり複雑ですが入手は可能です。
デルタ9との違い
では次に「デルタ9」との違いについて、解説していきます。デルタ9とは俗にいう、ハイになる成分「THC」のことになります。
医療用としては効果が高いといわれますが、嗜好用として許可されていない場所では、この成分がどれくらい入っているかいないのかで選別されます。
もちろん現時点(2022年9月)日本では認められていません。そしておそらくデルタ8に比べると、デルタ9の方が知っているという人が多いです。
デルタ8とデルタ9は基本的に原子結合が数か所異なるだけで、原子構造がとても似ています。そして2つとも大麻から自然発生するものでもあります。
この2つの大きな違いとなるのは「全体的な効果」です。
国立がん研究センターの調べによると、強い精神作用をもっているデルタ9に対して、デルタ8は少し異なりデルタ9よりも弱い向精神作用を持っているとされています。
期待されている効果
デルタ8が期待されている効果の1つとしては、がんと闘う能力です。1974年に腫瘍のあるマウスを調べる研究が行われました。
その研究の中で、デルタ9が数日後に腫瘍の成長を遅らせたのに対し、デルタ8は20日後に腫瘍の縮小が確認されたのです。
1995年に血液のがんのある子供に対して、別の研究が行われました。その研究では吐き気と嘔吐を抑えながら、がんの治療の高い効果が認められたのです。
このような研究結果から、デルタ8にはがんや腫瘍に対する効果が期待されているのです。
そして医学的にデルタ8の効果が期待されている理由の1つとしては、「ハイ」状態がきわめて「マイルド」な特性があるという点です。
生死を分けるがん患者にとって、大麻はとても必要な成分とされています。しかし必要な成分と分かっていながらも、摂取することに不安を感じる患者さんもいます。
そのような点において「ハイ」状態がゆるいデルタ8は、とても興味深いポジションの成分であり、これからの医学分野において必需品となっていくでしょう。
ただ現在は市場に「ヘンプから直接抽出したものでなく、CBDから反応生成物として取り出しているもの」が増えているのも事実です。
デルタ8を反対する派は「THCとして規制すべき」と反発していて、一方のヘンプ業界はこの新種を歓迎して推進しています。このような議論はこれからも続いていきそうですね。
デルタ8の商品ラインナップ(クラハワイCBD)
「どんな摂取の仕方があるのですか?」
それでは実際に、このデルタ8を使用する商品はどんなものがあるかをハワイのKula CBDの商品をみながらご紹介していきます。
他のブランドでも同じような種類がだいたいあるのですが、ローカルのブランドの中で特に積極的に取り入れているのは、このクラハワイになります。
デルタ8は規制がかからなければ、これからさらに需要が増えていくと予想されているので、知っておいて損はないです。
ベイプ
それではまず、ベイプの商品からご紹介していきましょう。
デルタ8THCベイプカートリッジ0.5ML/500mg:39.99ドル
こちらのベイプは、以下のような用途にあわせて選べる詰め替えタイプになっています。
- 気分を高めたい
- 落ち着いた気分を促進したい
- ポジティブなエネルギーややる気を高めたい
連邦法および多くの州の法に従って、すべて合法です。そして合法的なヘンプから100%抽出しており、0.3%を超えるTHCは含まれていません。持ち運びやすさや即効性の良さから、初心者にやさしい商品といえます。
ティンクチャーオイル
では次に、ティンクチャーオイルのご紹介です。
こちらの商品は、筋肉の回復や睡眠補助、ハッピーな気分にする効果が期待されています。
デルタ8ティンクチャーは、カンナビノイド・触媒・溶剤の化学反応によって作られており、100%に近い化合物で純度を確保した商品となっています。
こちらも携帯のしやすさや、効果の持続性が長いのが特徴です。
グミ
続いてはグミの紹介になります。
こちらの商品は他に類を見ない強力な効果を体感できるとされており、デルタ8グミの中に25mgのデルタ8が含まれています。
幸福感や睡眠の質の向上、筋肉の回復などが期待できます。効果を感じられるのに時間がかかりますが、持続性が長く摂取する量も調整しやすいのが特徴です。
あとブランドの方からも言及されていますが、4月から10月のハワイは暑くなるので、長時間の持ち運びには向いていません。
チョコレート
では次に、チョコレートの紹介になります。
こちらの商品は、高品質の製造プロセスで作られており、優れたフルスペクトルCBDと健康的なカカオの風味が感じられます。ISO認定で、安全性と有効性が確認されています。
強力なスーパーフードであるカカオと、強力なカンナビノイドを組み合わせる事で、罪悪感を感じることなく両方のメリットを感じる事が出来ます。
痛みや不安を和らげ、甘いおやつ感覚でリラックス効果が期待できます。
フラワー
それでは最後にフラワー(ヘンプ草そのもの)をご紹介します。
デルタ8THC注入 CBD麻の花-ババクッシュ:34.99ドル(3.5g)
ヘンプ産業でよく見られる、喫煙可能な大麻のつぼみである「ババクッシュ」。このフラワーには、ババクッシュにデルタ8を注入したものになっています。
アメリカでは、この巻いて吸うクラシックな摂取の仕方がいまだに主流です。
デルタ8のまとめ
今回はCBD業界でちょっとしたブームとなっている「デルタ8」について解説してきました。デルタ8はハワイ州でも許可されている、ヘンプからとれる100%天然の成分です。
デルタ8は従来のTHC「デルタ9」よりも強力ではなく、緩やかに効果を実感出来るという事もあり、今後さらに需要が高まっていきそうです。
また医学界においても、がん治療に対して効果が認められてきており、あまり「ハイ」にならない効き目も注目されている要因になっています。
今回は以上となります。
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Written by 橋本 幸恵
Illustration by Murat Kalkavan from Ouch!
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