by レイジーグーフィー

【CBN】大麻業界は記号が多すぎ?CBNとCBDを徹底比較

CBD (日)

最近は着実に浸透してきた感じになってきている、大麻成分の「CBD」。

日本でも法的に認められ、主にリラックス効果や睡眠導入などに役立つ安全な成分として、国内でも徐々に認知度が高まっています。

しかし大麻草にはCBD以外にも様々な成分が含まれており、近年の世界的な大麻合法化の潮流に合わせて徐々に注目を集めているのが、「CBN」という成分です。

CBNとCBD、似た名前なので混同しそうになりますが、CBNはCBDと並ぶ主要な大麻由来成分の一つであり、特にCBDと併せて摂ると、相乗効果で睡眠や痛み止め効果などを増強すると言われています。

CBNの研究はまだ少なく未解明の部分も多いですが、精神作用や依存性などはなく、近頃では日本でもCBN入りのグミなどが発売されています。

日本人にも身近で、また今後解明の進むであろうCBNについて、今から知っておくと役に立つかもしれません。

新しい記号?CBNとは

CBN-CBD-THC-second

CBNの正式名称はカンナビノールで、同じく大麻の主要成分の一つであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)に由来する成分です。

CBNは実は世界で最初に発見された大麻成分で、1899年にイギリスの科学者ロバート・S・カーン氏らによって、その存在が確認されました。

大麻草には、THCの前駆体であるTHC-A(THCのカルボン酸体)が含まれており、これが空気に触れると酸化して分解し、その過程においてCBNに変化します。このため老化した大麻草ほどCBNを多く含みますが、その含有量は極めて微量で、その意味では希少成分と言えます。


余談ですが、大麻成分で最も有名なのはTHCでしょう。

これを摂取すると高揚感などのハイになる作用がありますが、実はTHCは大麻草には直接含まれておらず、上記のTHC-Aとして含有されています。このTHC-Aを加熱するとTHCへと変化しますが、THC-Aには精神作用はなく、そのため大麻草をそのまま食べても基本的にハイにはなりません。

大麻草にはこの他にも豊富な成分が含まれており、その数は104種類にも上ります。

これら大麻由来の成分は総称としてカンナビノイドと呼ばれており、その中でもTHC、CBD、CBNは三大カンナビノイドに位置付けられています。

CBNの効果

CBN-CBD-THC-third

CBNは初めて発見されたカンナビノイドですが、CBDやTHCと比べると研究が少ないのが実情です。

しかし、現時点でもCBNの作用はある程度分かっており、今後さらに解明が進んでエビデンスが確立されそうです。

同成分の特徴として、まずCBNにはTHCのような精神作用は殆どなく、あってもTHCの10分の1程度と効果を感じないレベルです。よほど大量に摂取しない限り精神作用は基本的に無いと言っていいでしょう。

また、CBNには食欲を刺激する作用があります。2012年に発表された論文では、CBNを投与したラットの食欲が増えたことが確認されています。

食欲増進はTHC特有の効果として知られていますが、これは精神作用を伴うため、食欲改善などの医療での活用にはCBNのほうが安全かもしれません。


そしてCBNの最も特徴的な効用として、高い睡眠導入作用が挙げられます。

米国の大麻研究企業のSteep Hillによると、CBNをオイルで2.5〜5.0mg摂取した場合、その作用は処方鎮静剤のジアゼパム5〜10mgと同等と述べています。

この他、CBNとTHCには眼圧を下げる作用があることが、2007年にイスラエルで行われた調査で分かっています。この作用によって、眼圧上昇が原因で発症する緑内障の治療に役立つ可能性があります。

また、CBNには沈静効果、神経保護作用、抗菌作用、抗炎症作用、骨細胞の成長を促進することなどが、近年の研究で分かってきています。

CBN商品の選び方

CBN-CBD-THC-fourth

精神作用のないCBNは日本でも合法なので、国内でもCBNを含んだ大麻由来の製品が発売されています。

上記でも述べましたが、CBNは希少ということもありCBN単体では販売されておらず、主にCBD主体の製品にCBNやCBGなどの他のカンナビノイドを混ぜている場合が大半です。

ちなみに、カンナビノイドには他の異なる成分同士が相互作用して効果を増強する働きがあります。例えばCBDと一緒にCBNやテルペンなどの他のカンナビノイドを一緒に摂ると、CBD特有のリラックス効果や睡眠作用を強化します。

このようなカンナビノイド同士の相互作用を「アントラージュ効果」と呼びます。


現在では、CBN入りのグミなどのエディブル(大麻入りスイーツ)や、オイルなどが一般的ですが、もちろんこれらの製品にはTHCは含まれていないので、摂取しても精神作用はないので安全です。

しかし、CBNを含んだオイルは国内ではまだ少なく、あってもCBNの含有量を記載してないケースが多く、また値段も高価なため、より確実かつコストを抑えるにはグミのほうがオススメです。

例えば、米国のCBD製品メーカーのHemp Baby社が発売するCBDグミには、一粒あたりCBD15mg/CBN3mgと記載しています。値段は内容量によって異なりますが、一番小さい5個入り(125mg)は2,000円台で買えるので試しやすいでしょう。

同製品は楽天のレビューでもおおむね好評で、特に「夜ぐっすり眠れた」「朝スッキリ起きられた」など、睡眠の質改善に役立ったことが報告されています。

今後のマーケットの行方

CBN-CBD-THC-fifth

現在はもっぱらCBD製品に伴う副成分という位置付けのCBNですが、既にCBD市場は高い成長率が見込まれており、それに伴ってCBNのニーズも伸びていくことが予想されます。

CBDやCBNを含む大麻産業は世界的に成長傾向にあり、大麻産業に特化した調査会社Brightfield Groupによると、2018年には6億ドル(約646億円)だったCBD市場が、2022年までに220億ドル(約2兆4,000億円)規模に成長すると予測しています。

CBD市場はおもに北米を中心に展開しており、そのシェア率は市場全体の60%を占めていますが、CBD市場は徐々にではあれ、日本でも拡大していくと考えられます。


というのも、従来の規制では、日本で流通するCBDは必ず大麻草の茎と根の部分から抽出されたものに限るという制約がありましたが、2021年5月には厚生労働省によって、CBDの抽出部位の規制を撤廃する方針が示されました。

これによって、従来はCBD製品を輸入する際などに必要だった検査や煩雑な手続きがなくなり、国内でのCBD製品の流通がより容易になるでしょう。

それに伴って、現在はまだ高額なCBDオイルやエディブルなどの価格が下がって、より幅広いユーザーを獲得できる可能性があります。

また、海外では医療大麻の研究が進んでいることもあり、まだ未解明な点も多いCBNの研究も進んでいくと考えられます。医療、日常ユースという両方の面で、CBNもまた今後注目度の高まりそうなカンナビノイドです。

CBNのまとめ

CBN-CBD-THC-sixth

CBNCBDCBGなど、カンナビノイドは三文字アルファベットの名前ばかりなので分かりにくいですが、それぞれの成分には異なる生体作用があります。

中でも最近注目され出したCBNは睡眠導入や食欲増進などの効果によって、様々な用途で活用できそうです。

特に、最近は日本もCBDの規制を緩和する方向で動いているので、国内でもCBD市場の拡大が見込まれ、それに伴って三大カンナビノイドであるCBNの需要も高まっていく可能性があります。

また現在は主に海外輸入のグミなどに含まれているCBNですが、今後はチョコレート・クッキー・クリーム・オイルなど、より幅広い製品に使用され得る成分でなので、日本での大麻産業にも貢献し得る成分として要注目です。

今回は以上となります。

もし参考になりましたら、他の記事も読まれてみてください。

Written by Daisuke

【参考資料】
https://blog.brightfieldgroup.com/hemp-cbd-market-size#A-Look-Back
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22543671/
https://www.steephill.com/blogs/34/Cannabinol-(CBD):-A-Sleeping-Synergy