by レイジーグーフィー

大麻吸って「マンチ」はデメリットだけじゃない?【日本では違法】

大麻

大麻の副作用として考えられている「空腹感」。人によっては口の乾き、空腹時の暴飲暴食のイメージが強いので、悪い印象が先行していますよね。

私自身もはじめはそう思っていました。

でも実際に大麻産業では、嗜好用よりも医療の方が「需要も売上も期待も」されているのは、あまり報道されていないような気がします。

ですのでこの記事では、以下のような疑問を解決していきます。

  • マンチのメカニズムとは
  • メリット・デメリットは何か
  • 処方箋と違う効果は期待できるのか

もし最期まで読まれて「参考になった」という人は、他の記事も読まれてみてください。

マンチにはなぜなる?

weed-munch-second

大麻を吸うと「マンチ」と呼ばれる現象が起きます。

マンチは大麻を吸うことで食欲増進作用をもたらし、通常の食欲を超える作用があると言われているのです。

このマンチがどのようなメカニズムで脳に影響を及ぼし、食欲が増進するのかを米エール大学のタマス・ホルバート氏が率いた研究チームが研究を行いました。

研究では遺伝子組み換えマウスを用いて、大麻に含まれる活性成分によって、マンチが引き起こされる神経回路を特定することができたのです。

ホルバート氏はこの研究によって、下記のように言っています。

大麻によってもたらされる空腹感を引き起こすメカニズムや、通常は食欲を抑止する働きのあるものが、どのようにして食欲を駆り立てる原因となっているかを突き止めることができた

私たちの体には、いつ満腹に達するかを知らせる信号を発する「POMC細胞」というものがあります。

POMC細胞は今までは、過食を防ぐ大きな働きがあると言われていました。しかしホルバート氏の研究によるとPOMC細胞は、大麻を吸う事によって「この働きが完全に反転する」ということを突き止めたのです。

食欲を抑える働きのある化学信号ではなく、食欲を増進させる作用があることで知られている「エンドルフィン」という神経伝達物質を分泌するメカニズムへと変化したのです。

この作用がマンチを引き起こすメカニズムであると、ホルバート氏は説明しています。

マンチ時のメリット・デメリット

weed-munch-third

では次にマンチ時の、メリット・デメリットをご紹介していきます。まずマンチは世間的に「だらしないというイメージが強いですが、実際にところどうなのでしょうか。

マンチ時はTHCが脳の香りを認識する嗅球に作用することが分かっており、この作用によって食べ物の香りが格段に良く感じられ、食事が好きだという意識が強くなる働きがあります。またTHCがドーパミンの放出を促進させるため、ハイな状態で食事をした時に得られる快感が高まるとも言われているのです。

一方でTHCは消化を促進する働きもある事から、炭水化物を代謝するスピードを上げ、延々と空腹感を感じる事にも繋がります。

必要以上に食欲が増進する事から、食欲に特に異常のない人が大麻を吸ってマンチ状態になると、ジャンクな食べ物を異常に欲しやすくなるというデメリットもあるようです。

多くの人がハマるジャンクフード

マンチ時には、多くの人がジャンクフードにハマります。

  • ポテトチップス
  • チョコレート
  • クッキー
  • 冷凍食品など

このように炭水化物や甘いものが中心です。確かにジャンクフードの食べ過ぎは良くありませんが、食欲増進はネガティブなことばかりではありません。

マンチの食欲増進は、食欲不振や病後の患者さんなど食欲が落ちている人にとっては、くすりを飲まずに自然と食事を楽しめるようになれるものでもあります。

【最新版】CBDチョコレートにはこんなものがある

処方箋にはない効果

こうした大麻の効果は、大麻の使用を認めている国では「処方箋では出来ない事」として役に立っている場面が多くあります。

例えば、病気の治療中に急激な体重の減少に悩まされている患者さんや、化学療法中で極度の吐き気や食欲不振がある患者さんの症状は、処方薬だけではなかなか解決することが難しいです。しかし大麻を吸う事によって空腹感が得られ、食べる事自体に抵抗がなくなるといった効果が報告されています。

このような効果が、大麻使用を認めている国では「処方箋では出来ない事」として役立っている一例だと言えます。

大麻はそもそも、カンナビノイド化合物のテトラヒドロカンナビノイド(THC)が、カンナビノイドタイプ1受容体(CB1)に結合することで食欲を増進させます。この大麻の効果は、治療中に吐き気を伴う「がん」で食欲不振に悩む患者さんに使われることが多いです。

また神経障害による痛みに関しても、大麻は痛みを和らげる効果があるので、医療の現場ではデメリットよりメリットの方が大きく発揮されています。

まとめ

weed-munch-four

さて今回は大麻を吸って起こる「マンチ」のメカニズムやメリット・デメリット、また医療におけるマンチの恩恵について詳しく解説してみました。

マンチは脳の神経回路がマンチの活性成分によって影響を受け、食欲が増進します。

糖分の高いものや、炭水化物を欲する特徴がある事から、ジャンクフードの食べ過ぎによるデメリットが注目されがちですが、処方箋では得ることの出来ない効果も大麻からは得ることが出来ます。

要するに「THCがもたらすマンチ状態を、ベネフィットに変えられるかどうかは自分次第」と言えるのです。

現時点では、勉強をしつつ大麻解禁をのんびり待ちましょう。

今回は以上となります。

もしこの記事が参考になりましたら、こちらの記事も読まれてみて下さい。

Written by 橋本 幸恵

Food illustrations by Storyset
Data illustrations by Storyset
Event illustrations by Storyset
Food illustrations by Storyset