大麻300グラムは多いですか? 20代女子の塀の中の話【実話】
こんにちは、現在執行猶予中の20代女子の「マロラ」です。
前回までの記事は主に大麻の作用や成分についてお話をさせていただきました。今回は公開ギリギリラインを攻めた「自分が捕まった時(大麻300g所持)」のお話をさせていただきます。
最後まで読み進めていただくと、(必要ないかもしれないですが……)以下の知識が深まります。
- 警察に逮捕されるとどうなるか?
- 取り締まり時
- 獄中の状況
もしこの記事が少しでも参考になりましたら、別記事も読まれてみてください。
ハッピー マンチー デイズ【捕まる前】
大麻の作用は人それぞれでその時の精神状態や使用状況、あとは使用方法(ジョイント、ボング、食用、ペンタイプ等)などでもちがい、そして大麻の種類(インディカ、サティバ等)によっても変わってきます。
使い方を間違えるとバットトリップに入ってしまうことがありますが、自分は一度も経験しませんでした。色々な使用法がある中、私はボングでリラックス効果が高いとされている、インディカ寄りのものを使用することが好きでした。
当時は危なかったような体験は特になく、吸っていた時の楽しみは美味しいご飯を食べながら映画鑑賞をすることでした。
「終わったな。。。」【逮捕時】
○察24時で見るようなピリピリした状況を想像していたのですが、刑事さんたちは捕まえた達成感からかはわかりませんが、どちらかというと賑やかな雰囲気だったことを覚えています。
自分はというと頭の中は真っ白、腰も抜けている、極限の緊張からか吐き気さえ覚えていました。手錠をかけられた瞬間「終わったな」と思い、特にそれ以上パニックになることもなく、ただただその言葉がグルグル頭の中で回り続け放心状態でした。
最初の軽い取り調べを経て、留置場に連れていかれました。書類を書き次に丸裸になって身体検査を受け、「今日からアンタは10番ね。呼ばれたらちゃんと返事をすること。わかった?」と言われその日から自分の名前で呼ばれず、番号で呼ばれる生活が始まりました。
2ヶ月ほど獄中で過ごしましたが、最初の1ヶ月は一人部屋で誰とも話すことができませんでした。
1日3食の弁当を支給されるのですが21日間喉を通らず、少し食べただけで嘔吐をしてしまう状態が続きました。水分補給も少ししただけで吐いてしまっていたので、ままならない状態でした。
起きてから寝るまでの時間は全て管理されていて、1日の中で朝一に“運動”の時間があるのですが、“外”(5畳ほどの広さの所で上があいていて空は見えますが、4方向が壁なので景色は全く見えません)に行って髪の毛をとかす時間があったり、2日に1度のお風呂の日があったりします。
もちろんお風呂にはいっている間も小窓から監視されていますが、24時間監視をされ続けているので最終的にはなんとも思わなくなってきます。1日の中で1番辛かった時は、朝起きる時でした。
夢の中で自分の彼が出てきたり家族が出てきたりしたときに朝起きて夢だということに気付き、自分が鉄格子とコンクリートの壁に囲まれている事を再認識すると、急に虚しさと悲しさで涙が止まりませんでした。
1ヶ月が経った頃、相部屋に移動になりそこではじめて取調べ以外で会話ができたので、正直とっても嬉しかったです。そこから少しずつ体調がよくなり、食事をとる事ができるようになりました。
中でのルールとして、同部屋の人とはプライベートな話をしたり事件の話をしてはいけないという決まりがあったのですが、私はA子さんと色々話すようになりました。
私の周りには、捕まった事があったり全科を持っている人がおらず、そのような話も聞いたことがあまりありませんでした。ですので捕まる人は「悪い人」というイメージが正直あったのですが、自分も捕まってみて同じ所にいる人と話しをすることで、そのイメージが一変しました。
というのも、決して全てを肯定する訳ではないのですが、家庭の背景や事情をきいてみると一概に“悪い人”というくくりで判断できないと感じたからです。
取り調べの内容をお話しすることはできないのですが、とりあえず精神的ダメージが半端ではありませんでした。
同じ内容で昨日は普通に話してくれていたのに今日はひどく怒鳴られたり、本当の事を話しているのに嘘を付いていると言われたり、鎌をかけられたりしました。
自分では同じ意味で話しているつもりが、少しでも前回の取り調べとニュアンスが違うとそこを突かれ「なぜ以前はそのように話したのか」を1日中追及されることもありました。
普通の日常生活の中でそのような事が起きても、大したダメージは無いのかもしれません。ただ監禁をされた状態で誰とも会話をしない生活が続くなかでの取り調べは、正直なところ精神的なダメージが大きかったです。
生涯「初」獄中にて【感じたこと】
捕まる前はほぼ毎日大麻の使用をしていた時があり、刑事から取り調べでも大麻は依存性が高く危険な薬物であることを言われていました。
ですが不思議と中に入っている時には「吸いたくて吸いたくて仕方ない」とはなりませんでした。それよりもタバコが「吸いたくて吸いたくて仕方なかった」のです。
ですので、正直一般的に言われている大麻の“依存性”については、かなり疑問を抱きました。
また検察官の最後の取り調べの時に「大麻は正直そこまで悪いものではないのだろうけど、やっぱり法律で決まっている事だから、もう使用しないことを約束してね」と言われたことが印象深くのこっています。
大麻の入手方法として”売人”といわれる人から購入をする方法があります。多くの売人は他の薬物も売りさばいている事が多いため、ドラッグ売買のコミュニティと繋がりを持ちやすくなる事を恐れて、大麻に対しても厳しく取り締まっているように感じました。
しかし、全米科学アカデミーの医学研究所が1999年に発表した報告書によると
大麻が持つ生理的作用が、他の薬物への飛び石になっていることを示すデータは存在しない。
と発表されています。さらに、ニューヨーク・タイムズ誌が行った調査では、大麻使用経験のある1億1100万人のうち、その後ハードドラックを使用したのはわずか4%でした。
このように大麻が「ゲートウェイドラックではない」という調査データも出ており、逆に理論を裏付けるデータがないことが理論を否定する根拠と言えるでしょう。
大麻が規制されている日本でも娯楽用物質の使用者の83.2%が、最初に大麻を使用していなかったというデータが示されています。
そのため、大麻について議論する際は大麻に対して賛成する側も反対する側も、イメージだけで論じるのではなく、客観的なデータを元に、大麻の有用性やリスクについて正しく理解する必要があると強く感じました。
また、好きな人・友達・家族と会う事が出来たり「暖かいご飯を食べられたり、お風呂に入れる、外の空気を吸える、太陽の光を浴びる事ができる」そんな当たり前なことができることが、どれだけ幸せな事だったのかを改めて感じる事が出来ました。
もちろん監禁されていたら何もできませんが、外にいて自由であれば「何でもデキる!」ということも強く感じました。そしてとにかく外に出たら、一生懸命生きて自分の可能性を最大限まで活かしたいと純粋に思いました。
サーチング フォ ソウル【執行猶予付釈放】
外にでてから一度も大麻は使用していません。
たまに「リラックスをしたくて吸いたいなぁ」と思うことは正直ありますが、見つかったときに失うもののほうが大きいので、今後も日本で使用しようとは思いません。
今後は自分の体験などを活かして、合法化運動に少しでも力になれればと思っています。現在は仕事に励んでいて、いつか自営業することを目標に頑張っています。
今はこのコロナ禍で、海外に行くことが難しくなってしまっていますが、いつか合法の国にいってほかの国で大麻はどのように認識されているのか確かめてみたいです。
そして大麻がどのように発展、活用されているのかを実際に見に行き、ビジネスとして何かできたらいいなぁと考えています。
今回は以上になります。
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Written by マロラ