by レイジーグーフィー

【濃度100%超え】CBDの数値はいったいどこまで上がるのか?

CBD (日) 大麻

「超精製CBD商品」へのニーズがここ数年で一気に強くなり、CBD商品のサプライチェーンにおいても欠かせないものになっています。

そしてこれらの商品が「100%を超える純度になる」ことがあるのです。しかしどのようにして、100%以上の純度の商品が生まれるのでしょうか。

消費者からしても「純度が100%を超えるなど、意味が分からない」と感じることでしょう。しかし本記事を最後まで読み終えていただくとクリアになります。

まず疑問について解説する前に、関係となる情報から挙げていきます。なるべく専門用語は控え分かりやすくしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

歴史的な背景

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歴史的に科学界のプロフェッショナルのみが、純度100%の化学化合物を扱うことができました。

カンナビノイドの結晶が登場するまでは、「純度100%で作られ、消費者に届く商品」はかなり少なかったと言えます。

例えば酒屋で購入できる190度のグレーンアルコールも、エタノールの純度が100%であるわけではありません。

むしろ各種商品は「この純度を目標とする」というビジョンがあって作られるものです。(そしてどうしても誤差が生じてしまいます)

そしていずれはアメリカ食品医薬品局(FDA)が、高純度のカンナビノイド商品に目をつけることでしょう。実際2018年の4月にアメリカ食品医薬品局は、「高純度・高濃度カフェイン商品」に関する措置を発表し、規制を進めました。

以下の内容のコメントがあります。

『FDAは高純度・高濃度カフェイン商品のリスクから、人々を守るための大事な一歩を踏み出しました。これらの商品が、危険水準以上で使用される可能性が高くなるため、社会における脅威となっています。また純粋なカフェインや高濃度カフェインは、バルクパッケージ(商品本体のみの簡素なパッケージ)で流通することが多く、最低でも2件の死亡事例に関わっていることが判明しています。』

製薬業界の今

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製薬業界はトップクラスで厳格に管理されている業界の一つです。そして商品のタイプごとの基準に沿って「±数%」という目標値の下で商品を作っています。

純粋な医薬品は「API」とも呼ばれ、作用濃度(Potency)のことを「アッセイ値」とも言います。

製薬業界においてはアッセイ値が100%以上になることも多々あります。そして処方者は純粋なAPIを使い、そこに不活性成分(賦形剤)を混ぜて、「製剤の目標濃度」へと調整するのです。

一例としてアッセイ値101.5%のAPIを使うのであれば「アッセイ値101.5%のAPIに対して、どのくらいの分量の不活性成分を混ぜることで、目標値の製剤を作ることができるのか」を計算して、製剤化を行います。

そしてFDAは100%以上のAPIや、その他の化学標準物質のアッセイ値を確認したいと考えているのです。

アメリカ薬局方について

アメリカ薬局方(USP)は成分や製品、製造過程などについての規格を作っている非営利団体です。

アメリカの製薬業界は、基本的にこの規格に従うことになります。またアメリカ薬局方は、毎年これらの規格を更新しています。

そしてアメリカ薬局方(USP)と全国処方箋(NF)が統合したものをUSP-NFと言い、以下のついての規格などが含まれています。 これには

  • 医薬品
  • 原薬
  • 剤形
  • 生物製剤
  • 賦形剤
  • 配合剤
  • 栄養補助食品
  • 医療機器
  • その他の治療薬

USPが公式とみなしている「USP-NF規格の最新のもの」には、アメリカで作られて販売される医薬品への強制力があります。(実際には強制力はアメリカ食品医薬品局がもちます。)

https://www.uspnf.com/purchase-usp-nf

さてUSPは、精製物質(プソイドエフェドリンやイブプロフェン、アスコルビン酸など)と精製物質から作られた医薬品に関する規格を、モノグラフとしてまとめています。

彼らは政府組織ではありませんが、アメリカ食品医薬品局はこれらのモノグラフ(とアメリカ薬局方のその他の項目)を「強制力を持つルールである」と判断しています。

USPモノグラフには「アメリカにおいて製品や物質が認められるために、クリアする必要のある最低限のテスト」が載っています。


ここではイブプロフェンのUSPモノグラフを見てみましょう。英語であるため分かりにくいですが、イブプロフェンのアッセイ規格は97.0%~103.0%となっています。

https://www.uspnf.com/sites/default/files/usp_pdf/EN/USPNF/errata467Ibuprofen.pdf

以下が100%を超える規格を有する、他のUSPモノグラフの追加例になります。

  • 塩酸プソイドエフェドリン:乾燥ベースで算出すると98.0~100.5%の塩酸プソイドエフェドリンを含んでいます
  • 無水クエン酸:無水基準で算出すると、99.5%~100.5%のクエン酸を含んでいます
  • クラリスロマイシン:無水基準で算出すると、96.0%~102.0%のクラリスロマイシンを含んでいます

100%を超える純度の製品が生まれる理由

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それでは純度100%以上という数値が出る理由について解説していきます。結論から言いますと、それは「不確実性の重なり合い」が原因です。

理論上は純度が100%を超えることはありません。ですが科学的には、以下が持つ不確実性が重なり合い分析値に反映し、超高純度化合物に関しては「数値上の純度」が100%を超えることもあるのです。

  • 化学標準
  • 実験工程
  • 実験装置
  • 実験者

簡単に言えば、「複数のずれが重なり合うことで、実際にはあり得ない数値が出ることもある」ということです。

そしてあらゆる研究所が、「科学的工夫をできる限り行い、不確実性を最小限に抑えること」に励んでいます。 そして「アメリカ食品医薬品局に沿った、医薬品の品質管理研究所で求められるものと同様の基礎とプロトコール」に基づき、研究所を運営しています。

現在のGLP(適性試験所基準)とcGMP(適性製造基準)を守ることで、不確実性を可能な限り少なくし、最高レベルの精度を実現することができています。

検査報告書に100%と記載しない理由

「現実に100%を超えることはないのだから、100%と記載すればいい」と感じるかもしれません。しかし実際には科学的に正確な数値を書くべきですし、100%以上と記載することに法的な問題はありません。

一例としてCBDの純度が102.1%だったとしましょう。この数値は、正常な科学的原則の上で計測されたものです。そのためメーカーや消費者の「100%と記載すればいい」という要望に応えてしまうとデータの存在価値が否定されることとなります。

またメーカーなどが「2.1%という数値を軽視する」となれば、処方の不確実性が高まってしまいます。

いずれにせよ「純度100%以上」という数値が出るのは正常なことであり、何かをごまかしているわけではありません。またこれはCBDやTHC、そしてそれ以外の大麻製品など以外にも言えることです。

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CBD関連業界の課題

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科学者や経営者、製造企業、FDA監査者などをはじめ、科学界にいる全員が「純度100%以上」という数値を受け入れています。

ただ近年科学界に参入してきている「カンナビノイドメーカー」の多くは、このことを理解していません。また一般の方もほとんどは「純度100%以上という結果」に対して困惑することでしょう。

そのため「純度100%以上という数値が正常であることを周知すること」もCBD関連業界の課題の一つであると言えます。

今回は以上となります。

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Edited by のりあき

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