by レイジーグーフィー

【検証】アルツハイマー病と大麻の関係は?【研究結果は意外です】

CBD (日) 大麻

アルツハイマー病は進行性で、不可逆的で致死的な脳疾患であり、世界中で1,530万人が罹患していると推定されています。そして記憶喪失や認知能力低下など、脳に様々な変化を引き起こします。

現時点ではアルツハイマー病の明確な治療法はありません。しかし医療用大麻は、神経細胞の死滅プロセスを遅らせることによって、アルツハイマー病の進行を遅らせるのに役立つことが研究で示されています。

本記事では以下の内容にふれていきます。

  • 大麻が脳に与える影響
  • 大麻とアルツハイマー病の研究

専門用語はなるべく控えて、カンタンに分かりやすく解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。

大麻が脳に与える影響

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最近は多くの方に認知されるようになってきましたが、大麻には「抗炎症作用のある化合物」が多く含まれています。これらの化合物は、アルツハイマー病の重大な原因である炎症を抑えるのに役立ちます。

そして大麻がアルツハイマー病の予防に役立つ、もう一つの理由があります。それは「炎症と酸化ストレス(アルツハイマー病のもう一つの原因)」を軽減することが知られている、多くの物質が含まれているからです。


大麻に含まれる化合物の中でアルツハイマー病を予防し、さらには治癒させることができる最も重要なものは「THC(デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール)」です。

THCはまた脳の血流を改善し記憶形成に関与します。そして脳の海馬領域で特定の受容体を刺激することによって、認知能力を高めることが研究で示されています。

エンドカンナビノイド系とは食欲・痛覚・気分・記憶など、さまざまな身体機能を調節する受容体の一群のことです。大麻はCB1およびCB2受容体を活性化する「フィトカンナビノイド」と呼ばれる化学物質を含んでいます。

CB1受容体は主に脳や末梢組織に存在し、食欲・記憶・睡眠を調節します。多幸感・酩酊感・幻覚など、大麻の精神活性作用を媒介する役割も担っています。そしてうつ病や不安障害、睡眠障害などの調節にも重要な役割を果たすとされています。

一方のCB2受容体は、免疫細胞やその他の末梢組織に存在します。免疫細胞やその他の末梢組織に存在し、炎症・痛覚・免疫系の反応に関与しています。

大麻とアルツハイマー病の研究

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医学界では大麻の使用とアルツハイマー病との関係について、長い間研究がされてきました。

現在大麻オイルは、認知症治療のために臨床試験で使用されています。それでもこの病気の治療や予防のために大麻を使用している人たちからは、逸話的な報告も多くあります。

アルツハイマー病は、記憶力や思考力が徐々にに破壊されていく脳の疾患です。「世界で最も多い認知症の原因」と考えられており、世界中で数百万人が罹患していると言われています。

大麻は脳内に蓄積されたベータアミロイドを保護する働きがあり、アルツハイマー病の「進行を遅らせる」可能性があることが研究で示されています。


Journal of Alzheimer’s Disease誌に掲載されたある研究では、アルツハイマー病のモデルにおいて、低用量のTHCが抗アミロイド形成作用をもたらすことが明らかにされました。またTHCやカンナビジオール(CBD)などのカンナビノイドが血流中に存在すると、βアミロイド蛋白質のレベルに影響を与え、脳内での産生が減少することも指摘されています。

カリフォルニア州ラホーヤにあるソーク研究所の研究者たちによる別の研究では、早期発症のアルツハイマー病(AD)患者に対する大麻の効果が検討されました。その結果カンナビノイドが、被験者のアミロイドプラークの蓄積レベルを低下させることで、AD症状の進行を遅らせることが判明したのです。

今回の結論

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アルツハイマー病はこわい病気であり、愛する人が経験するのを見るのはとても心が痛みます。アルツハイマー病を治療する大麻の研究は、まだ始まったばかりです。

ここにはたくさんのエキサイティングな可能性があります。今のところの逸話的な証拠も有望ですが、これが「可能性以上のもの」になるにはより多くの臨床試験を実施する必要があります。

もちろん自分の症状に大麻を使うことを選択する場合は、まず医師の承認が必要になることもお忘れなく。

今回は以上となります。

最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

Edited by のりあき