【検証】医療大麻の基本知識|大麻は人間の暮らしに役立つか!?
基礎から学べる医療用の大麻
こんにちは。
本記事では、大麻に関する本当の話をします。
日本では「医療大麻」も気軽に使えるものではありませんし、もちろん個人が「楽しむため」に使うのも厳禁です。
ですが実は海外では、医療の分野で大麻が活用されてきています。
ここでは、医療大麻に期待できる効果などについて解説します。
今回の主なテーマは以下の通りです。
呼吸器内科の現役ドクターである私が解説します。
大麻とはなにか
厳格な規制
「大麻取締法」という法律があります。
この法律においては、「大麻草とその樹脂」のことを大麻であると定義しています。
大麻草のことを「カンナビス・サティバ・エル」とも呼び、カンナビノイドという成分が含有されています。
有名なのは
です。
これらが、脳内の「カンナビノイドCB1レセプター」に刺激を与え、
- 鎮静
- 沈痛
- 不安の軽減
- 快楽
- 幻覚
などの効果をもたらします。
忘却作用や依存性があるため、国が厳格に規制をかけています。
大麻の使い道
大麻は、
のいずれかに使われています。
日本の場合、前者はもちろん、後者に関しても厳格に管理されています。
医療大麻の研究もほぼ進んでいない状態です。
そもそも大麻を所持する資格を有する、研究者や医師が非常に少ないのです。
医療大麻について
医療大麻の世界的な扱われ方は?
などに対して医療大麻が効果的であると見られており、特にアメリカでは熱心に研究が進められていて、アメリカのFDA(日本で言うところの厚労省に近い)が使用に関して認定しています。
またイギリスでは、
- 多発性硬化症による筋肉の硬直
- がん治療に伴う吐き気
- てんかん(の一部)
などに対して医療大麻を処方することが認められています。
さらに、大麻は不眠症にも作用するとみられています。
大麻が含有しているCBDにはレム睡眠の時間を短くして、質の高い眠りであるノンレム睡眠を長くする効果が、THCには入眠効果があるとされています。
また、CBDには抗不安薬としての効果も望めます。
呼吸器系
肺の内部にある気管が炎症などの影響で狭くなり、呼吸しにくくなる病気のことを「喘息」と言います。
大麻には器官を広げる効果がありますから、喘息を和らげる作用が望めます。
ただ、大麻の利用状況次第では、肺に悪影響を及ぼす事もあります。
一例として大麻をけむりとして吸う時に、巻紙からのけむりはタバコと同じような有害性が生じたり、受動喫煙に近い状態になったりすると言われています。
いずれにせよ、「大麻自体は必ず肺にダメージを与える」というわけではありません。
今後研究が進み、喘息治療で積極的に利用されるようになる日も近いと言えます。
まとめ
大麻にも依存性や忘却作用がありますから、使用するのであれば厳重な管理・調整が必要です。
しかし医療大麻の研究が進めば、人間にとってプラスの効果も持っていることが判明しました。
副作用を制御する方法も研究だけでなく、各自で解き明かしていくことが重要です。
ドクターT 京都の内科医師です。現在、医療大麻研究中。